パンフレットと舞台感想

2017年4月28日 (金)

フェードル

2017/4/28(金) パンフ1500円




20170428


おしゃれで渋い表紙です。壁紙のような花の絵柄の背景にギリシャ語(?)フランス語(?)でPHEDERとタイトルがあるのみ。ページをめくるとチラシ同様に大竹しのぶの写真です。


キャスト紹介やギリシャ神話や作品の背景、大竹、平、門脇の対談など。




感想


圧倒的な台詞量で、心情や背景のみならず風景まで見せてしまう実力のあるキャスト。舞台転換なしですべてのシーンを見せてしまうので、その場が広間なのか、誰かの部屋なのか、なぜみんなそこに来て出ていくのか不思議でもあるが、野外劇が一般的なギリシャ悲劇らしい。






今月は世田谷パブリックシアターの『エレクトラ』と本作品『フェードル』とギリシャ悲劇を2本観て、改めて3000年前の話を今観ることができることの凄さと、変わらない人間の姿の普遍性を感じる。ラシーヌの本作にしても1677年初演で、300年以上前の作品。昨年はアテネに旅行したのでちょっとした親近感もある。






オープニングは波の音。ギリシャのペロポンネソス半島のトレゼーヌが舞台なので、海の近くのイメージ。しかし、舞台に照明が入るとすぐにイッポリット(平岳大)と従者のテラメーヌ(谷田歩)の長い台詞の応酬で、どうやらイッポリットはいい人らしいことがわかる。囚われの身の敵国の人質アリシー(門脇麦)に恋しているのだが、義理の母フェードル(大竹しのぶ)は、夫テゼ(今井清隆)の不在時に夫の面影のあるイッポリットへの愛を抑えきれない。夫の訃報が来るやいなやイッポリットへ愛を告げるが、イッポリットは、テラメーヌへの想いにフェードルを跳ねのける。フェードルは何とかイッポリットを振り向かせようと乳母のエノーヌ(キムラ緑子)と画策するが、テゼが生還し…。




平岳大は今までのどの芝居とも違い、すっきりした台詞回しで好感を持った。従者の谷田歩との関係もあまり家来っぽさが出すぎてないので、清々しい。


大竹しのぶのタイトルロール、フェードルは、物語が進むほどに引き込まれる。門脇麦の凛とした姿、そしてラストシーンでイッポリットの死体を引きずり抱きしめる芝居に心打たれる。


キムラ緑子のエノーヌは、フェードルに振り回されかわいそうだが、もっと悪者に描かれることもあるらしい。確かに人を陥れようとしているのだが、フェードルへの献身的な愛が裏切られた感じがする。テゼは今井清隆で、登場シーンから素晴らしい良い声が響き、王の威厳を感じさせるとても良いキャスティング。8人誰もがよい芝居をしていた。満足。






2017/4/8(土)~30(日) シアターコクーン20170428time




作:ジャン・ラシーヌ 翻訳:岩切正一郎 演出:栗山民也


"\○/"


| | コメント (0)

2017年4月15日 (土)

王家の紋章

2017/4/15(土) パンフ2000円(未購入)






昨年初演の舞台写真が入り、主要キャスト紹介写真も豪華で対談など読み物もあるパンフ。






感想


幕にナイル川面を思わせるキラキラした映像を採用。その紗幕が開くと、エジプトの大きなネックレス風の装飾品をイメージした装置のような幕があり、それも上がる。


舞台装置は、宮殿の中も建造物もエジプト文字の模様入りでエジプト感を出している。舞台袖通路の上手下手にもエジプト文字の模様入り柱。開演前や幕間には客席に水面をイメージした照明があたる。




Wキャストは新妻聖子、平方元基。


物語は、古代エジプトの遺跡発掘中に発掘企業の娘キャロルが3000年前のエジプトへタイムスリップしてしまう。時はまさにメンフィス(浦井健二)が王になったとき。


対立するヒッタイトの王イズミル(平方)の陰謀や、メンフィスの姉アイシス(濱田めぐみ)の弟への強い愛から、メンフィスとキャロルの3000年を超えた愛を巡って、現代と古代エジプトを行き来したエピソードが紡がれる。




どうも、中途半端なエンディングに感じるが、壮大な物語なので続編もありそうです。


客席は、楽しんでいる人たちの会話が飛び交い、盛り上がっていました。


浦井健二、濱田めぐみ、山口祐一郎とミュージカル界を代表したメンバーの歌と芝居を存分に楽しめます。




一つ、二つ気になるシーンがありました。


メンフィスが傷を負いサソリに刺されて瀕死の状態になったとき、キャロルは救命救急処置の心臓マッサージとマウスツーマウスで彼を救出します。その心臓マッサージなんですが、1,2,3と押して、4拍目は休んじゃうんです。これじゃ助かる人も助かりません。せっかくなので本格的に実施して観客に心臓マッサージを記憶に残したいと思います。ということで、東宝さんに進言して参ります。去年知っていればなあ。


もう一つは、キャロルの兄ライアン(伊礼彼方)がキャロルをナイル川から救い出した後病院でのナンバー。すでにキャロルは息を吹き返しているのに歌詞の出だしと合わないのです。




2017/4/15(土) 帝国劇場


原作:原作:細川智栄子あんど芙~みん「王家の紋章」(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
脚本・作詞・演出:荻田浩一 作曲・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ


"\○/"

| | コメント (0)

2017年4月14日 (金)

城塞

2017/4/14(金) パンフ800円(未購入)




パンフは新国立劇場の通常タイプ。最近はWebサイトに詳細や対談が掲載されていないので、購入すれば勉強になりそう。






感想(ネタバレ)


オープニングの衝撃と、2幕の鬼気迫る父と子の対立が観ている側も力尽きるほど激しい。


戦争責任について追及しているようで、人間の自立と崩壊について書かれている戯曲だと思った。


ラストで、息子役「和彦」(山西惇)はストリッパー(松岡依都美)から背中を押されて、父親(辻萬長)と直接対決することを決意するが、その流れと、父子の対決は文字では表現できないように感じた。理解するより感じたという感覚で、芝居の醍醐味を味わえる作品となっています。






































オープニングは息子役和彦の絞首刑。エリザベートのルッキーニのシーンと重なるが、回想に繋がるのではなく、17年後の今に繋がっている。






2017/4/13(木)~4/30(日) 新国立劇場(小劇場)


作:阿部公房 演出:上村聡史


出演:山西 惇 椿 真由美 松岡依都美 たかお鷹 辻 萬長


"\○/"


| | コメント (0)

2017年4月 9日 (日)

この兄の弟 贋作アントンチェーホフ傳

2017/4/9(日) パンフ500円

より深くその人柄を偲ぶことができるパンフ。何故チェーホフか、どの辺りがチェーホフか、など寄稿から読み取れます。芝居の前でも後でもオッケー。キャスト紹介も見逃せません。

前半はコミカル、終盤はしんみりと贅沢な内容です。赤シャツやフユヒコなどマキノノゾミ作品の暖かさと言葉の選び方は秀逸。宮田さんとのコンビも確かで良い芝居でした。

2017/4/7(金)~4/16(日)紀伊国屋ホール


脚本:マキノノゾミ 演出:宮田恵子



| | コメント (0)

2017年2月15日 (水)

ビッグフィッシュ(BIG FISH)

2017年2月7日(火)18:00 / 2月15日(水)13:00 パンフ1800円
 
素晴らしい!大好きな作品です。20170207bigfishmini1
 
2013年にBWで観て大感激した作品。日本キャストで観られるとはなんと嬉しい。それもエドワード役が川平慈英氏とはピッタリのキャスティングで楽しみにしていました。翻訳は目黒条、訳詞が高橋亜子、松井るみの美術、白井晃演出で夢の世界が日生劇場で再現されました。日生劇場の内装は貝で装飾されていて独特です。リニューアル時にLEDライトで一部の壁面の色を変えられるようになったようで、水色の帯状にライティングされています。キャストのローリー氏の言葉では「まるでお魚のおなかの中にいるみたい」という劇場と芝居のイメージタイアップも出てきました。
初日は一列目、およそ一週間後に2回目は2階席やや後方からの観劇です。すでにオーバーチュアから一曲目で作品の終盤を思い出してジーンとしてしまいました。
どのナンバーも個性的で一つ一つの物語を楽曲が思い出させてくれます。そしてどれも冒険心に満ちた前向きの曲で、テーマソングの「Be The Hero」に繋がる「何か」があります。アンドリュー・リッパの曲調なのでしょうか。
ストーリーも、見ている側がウィルと同じように心を開いていくよう仕向けられているようで、ミュージカル好きではなくても、最後には作品の良さを理解して貰えそうな運びです。特に、エドワードの心がウィルに繋がるシーン=アシュトンの町の回想シーンからエドワードが去り、ラストシーンに至るシーンでは2回とも感涙。
やはり、人が死んでしまうのは悲しい。
残された人々は、親やその先祖から何かDNAを受け継いでいく。
人生は楽しまなければもったいない。
ということを全身の感覚で知ったようです。
 
ここからは不思議に思ったことです。翻訳ミュージカルにするのにもしかして訳詞が難しかったのかと思いました。どの言葉も洗練されていて、言葉の持つ力は十二分発揮されていましたが、音楽に日本語を乗せたことで、言葉が沈んでしまった気がしました。声質がBW版のノーバート・レオ・ボッツにそっくりな慈英氏が歌ってたら、同じように陽気にパワフルに聞こえて欲しいです。
 
2017年2月7日(火)~2月28日(火)日生劇場20170215bigfisht
脚本:ジョン・オーガスト 音楽・詞:アンドリュー・リッパ 翻訳:目黒条 訳詞:高橋亜子
演出:白井晃
エドワード:川平慈英 ウィル:浦井健治 サンドラ:霧矢大夢
″\○/゛
20170207bigfishmini  20170215bigfishts
20170207bigfishmini2 20170215bigfishc

| | コメント (0)

2017年1月12日 (木)

ミュージカル「フランケンシュタイン」中川+加藤

2017年1月12日(木) パンフ1800円(未購入)
感想20170112_2
原作のフランケンシュタイン博士を元にオリジナルの脚本、音楽で作った韓国ミュージカル。NT制作ベネディクト・カンバーバッチ2役(ビクター、怪物のジョニー・リー・ミラーとの入れ替えダブルキャスト)のストレートの舞台を昨年ナショナルシアターライブで観たが、カンバーバッチのビクター役を観ただけで、入れ替えの怪物役の方は遠慮してしまった。なかなか気合の要る、精神的につらい作品だと思う。
それを韓国スタッフは、音楽を使い、更には主力の役者がほとんど二役を演じるという手法を使って、物語のどす黒さを裏表の見せ方でエンターテイメントに仕上げた。
音楽は、なぜか既存のミュージカルの端々を思い出させるメロディラインやリズムで、個性的な曲とは思わなかったが、「レ・ミゼラブル」「ジキル&ハイド」などに似た楽曲が印象に残った。
20170112_3 役者は、アッキー(中川晃教)のビクター・フランケンシュタイン博士は、綱渡りのような感情の起伏と、壊れそうな心が歌からも芝居からも伝わってくる。もう一つの役、怪物が見世物になる見世物小屋のジャックも、濱田めぐみの女主人エヴァの尻に敷かれるところが悪役になり切れない不安定さがあり、こちらはコミカル。二つの役を一つの舞台でやりこなすとは、大した力量。
対する怪物役の加藤和樹は、端正なビクターの親友デュプレと怪物の両極端な役をそれでも、同一人物だと思わせたり、別物と思わせたり変化に富む演じ方だった。しかし、全身がきれいな役者。
濱田めぐみは、予想通りビクターの姉エレンの役と、見世物小屋の女主人エヴァの役も歌からしぐさから、両極端を演じきった。エレンの泣かせる演技もさすが。
オープニングからコミカルに演じるルンゲの鈴木壮麻さんのもう一役のイゴール(道化)は意外でしたし歌わないのでもっと意外でした。
 
2017/1/8(日)~1/29(日)日生劇場20170112_1
音楽:イ・ソンジュン 脚本/歌詞:ワン・ヨンボム 訳詞:森雪之丞
潤色/演出:板垣恭一
http://www.tohostage.com/frankenstein/index.html
″\○/゛
 

| | コメント (0)

2017年1月 1日 (日)

2016年の舞台は99本

2016年は99本の舞台を観ました。本当にたくさん観たのですが、2月以降は感想をかけないままに終わり、大変残念です。
ナンバー1はハリーポッターと呪われた子のパート1、パート2です。魔法を体感しました。
2016_2

| | コメント (0)

2016年1月30日 (土)

The Love Bugs (ザ・ラブ・バグズ)

2016/1/30(土) 2000円(未購入)

パンフについては、購入しなかったので語れません。グッズも多かったです。

感想Img_1631mini
地球ゴージャスの舞台はエンターテイメントの先端を見せてくれるのでいつも楽しみです。チケットが取れないこともありますが、今回はがんばってゲット。
オープニングはCATSを思わせる虫たちの仮面舞踏会。各種の虫の代表が集まっているが、仮装しているためどうやら天敵もわからないらしい設定。セットもCATSっぽいところがあるので、虫の視点でCATSのように仕上げたのかと思いました。
虫の中の人気者として登場した城田優はエリザベートを思わせるリフトに乗って上手から登場し、グリザベラさながらにマルシアが登場する。CATSのオマージュかと思わせるシーンも多いが、曲はオリジナルでダンスは目いっぱい地球ゴージャスらしく楽しい。大原櫻子のてんとう虫-->羽虫-->蛍という展開も屈託がないし、平間壮一のダンスや若さがはじけている。美しい振る舞いの蘭寿とむは、歌もセリフも間が良くて流石。人間の妖精として出てくる寺脇康文やなぜか昆虫の天敵(雑食?)のザリガニに岸谷五郎が扮してご愛敬。

Img_1629miniオープニングの映像が3Dでものすごくカッコ良かった。舞台に引き込まれる映像と照明に感動しました。

2016/1/9(土)~2/24(水) 赤坂ACTシアターImg_1627
作・演出 岸谷五郎 演出:寺脇康文 振付:藤林美沙、SHUN(大村俊介)、原田 薫
http://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_14/
″\○/゛

| | コメント (0)

2016年1月23日 (土)

書く女

2016/1/23(土) 700円 二兎社PLAYBILL(無償配布)もあり

Img_7257miniパンフには本谷有紀子と永井愛の対談、樋口一葉について、年表、役者の役に対する思いと人物紹介。PLAYBILLには役者の紹介があります。Img_7256mini

樋口一葉は本当に24歳で亡くなってしまったのか…と思わせる芝居。黒木華が良い。初演の寺島しのぶとは違った真剣さがちょっととぼけた様に見えます。何にでもまっすぐにチャレンジする姿に、周りの人が着いて行ってしまうのでしょう。
木野花の母親役が、空気の重さというか、匂いというか、時代を同じく見せてくれるので、その時代にすっぽり入りこんで、一葉の晩年を見させてもらいました。妹のくにとは、仲が良かったり反駁したり楽しい家族に見えます。平岳大演じる半井桃水と一葉の関係や、女性文筆家、一葉を囲む学生、文学者たちとの関係もスキップするように楽しげで、苦しさよりも生きていた事が良く見える作品です。

2016/1/21(木)~31(日) 世田谷パブリックシアターImg_1625mini
作・演出:永井愛
樋口一葉:黒木華 半井桃水:平岳大 樋口たき(母):木野花 樋口くに(妹):朝倉あき

| | コメント (0)

七つの秘密

2016/1/23(土) 1300円(未購入)

本年初観劇。Img_1623mini
紀伊國屋ホールでも、キッチュ松尾貴史のおとぼけも、手品もありました。そんなゆるいお芝居が楽しいです。
筋書きはしっかりしていて、各人の「まずい」秘密が一つ一つ舞台上で判明していく。それぞれの秘密は別の人が知ってしまうが、その連鎖が不思議と勘違いを生み出してしまう。G2演出は間が良くて、ひやっとさせたり爆笑させたり楽しく観ました。

Img_1624mini2016/1/15(金)~1/24(日) 紀伊國屋ホール
作:細川徹 演出:G2 製作:AGAPE store
キャスト:市川:松尾貴史 川島:シルビア・グラブ 勅使河原:池田純矢 黒木:東加奈子 水野:坂田聡 鈴木:宮崎秋人 溝口:大高洋夫
http://agape-store.com/
″\○/゛

| | コメント (0)

より以前の記事一覧